ブラジル産コーヒー豆の種類や特徴|味わい・産地・銘柄・等級を解説
コーヒーといえば『ブラジル』というほど、ブラジルのコーヒーは日本でもかなりメジャーです。
「ブラジル産のコーヒーってどんな味わいなの?」
「ブラジルのコーヒー事情についても知りたい!」
そんな方に向けて、ブラジルのコーヒーの『味わい・香り』や『産地』『種類』『等級』について、詳しくかつ分かりやすく説明していきます。
出張バリスタとして全国各地でコーヒーを振る舞っている経験と、書籍から得た確かな情報に基づいているので、参考にして頂ければ幸いです。
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目次
ブラジル産コーヒーの特徴【味わいや香り】
ブラジル産のコーヒーの味わいや香りの特徴は、なんといっても、『クセがなく飲みやすい』ということです。
中南米のコーヒーは酸味と苦みのバランスの取れたものが多いですが、ブラジル産のコーヒーは特にバランスが取れています。
焙煎度にもよりますが、控えめな酸味とナッツやチョコレートの様な甘いフレーバーが、ブラジル産コーヒーの基本的な味わいです。
そのバランスの良さと飲みやすさから、カフェやコーヒー屋さんではブレンドのベースとして好んで使われています。
ブラジル産コーヒーに適した焙煎度
ブラジル産コーヒーは、『中煎り~極深煎り』と幅広い焙煎度で美味しく飲むことができます。
これだけ幅広いと豆屋さんで注文するときなどに迷ってしまうと思うので、精製方法ごとにおすすめの焙煎度を紹介しておきましょう。
フレンチローストなどの深煎りにして、エスプレッソ抽出で飲めば、ブラジルのチョコレートのフレーバーが活きてきます。
また、豆によってはミディアムローストやハイローストなど浅めの焙煎にして、さわやかな酸味とやわらかな甘みを味わうのもおすすめです。
ブラジル産コーヒーの種類(銘柄)と産地
ブラジルのコーヒー豆の種類(銘柄)と産地を紹介する前に、『コーヒー豆の種類(銘柄)』について軽く説明しておきます。
ブラジル[国名]ブルボン[品種]アルコイリス[農園]パルプドナチュラル[精製方法]
(※その他、積出港、等級、生産エリアなど)
このように、『コーヒー豆の種類』と一言でいっても、その名前には様々な要素が含まれていることが多いです。
こういった事実があることを踏まえて、コーヒー豆の種類について見ていくと、より理解が深まるかと思います。
ブラジル プレミアムショコラ
ブラジルの主要なコーヒー産地の1つミナス・ジェライス州のサントアントニオ地域で作られている銘柄です。
銘柄名にもある通りのチョコレートやナッツのようなフレーバーが特徴で、ブラジルらしい甘みが感じられます。
どの焙煎度合いでも甘みを感じることができ、酸味や苦味、コクもほどよくバランスが良いので、飲みやすいです。
こういった上等なスペックのわりには値段も安く、コストパフォーマンスに優れたコーヒーであるといえるでしょう。
ブラジル イエローブルボン パルプドナチュラル
ブラジル イエローブルボン パルプドナチュラルは、ブラジル産の一般的なコーヒーよりもクリアかつ独特の甘みのあるコーヒーです。
その秘密は、ブラジル伝統のナチュラル製法(後で説明します)とは違う特殊なパルプドナチュラルという精製方法にあります。
収穫後に果肉と果皮を綺麗に除去した後、甘みのあるミュージレージという粘液質を残して発酵させることで、クリアかつ甘みのあるコーヒーとなります。
発酵のクセがあるといわれたりもしますが、僕はこの甘みが舌に残る感じが好きだったりするので、好き嫌いの別れるところかもしれません。
ブラジル サントスNo.2
ブラジル サントスNo.2は、ブラジル産のコーヒーの中でもかなりメジャーな部類で、もしかしたらあなたも飲んだことがあるかもしれません。
詳しくは後ほど説明しますが、No.2はブラジル産のコーヒー豆では一番グレードの高いもので、安定感のある味わいが人気です。
やわらかな酸味と苦味が調和がとれているだけでなく、ブラジルのコーヒーらしい香ばしさも感じられます。
ブラジルのコーヒーがどんな味か知りたいという方は、グレードが高く安定感のあるブラジル サントスNo.2を飲んでみるのが良いでしょう。
ブラジル ムンドノーボ
ブラジルの各地で生産されているムンドノーボ種は、『新世界』という意味を持っています。
ほどよい苦味と、さわやかな酸味が感じられるバランスの良い味わいが特徴です。
ムンドノーボ種は、主にブラジルの主要なコーヒー豆の産地サンパウロの北部にあるセラード地区で、日系人の手で日本の技術を用いて生産されています。
ブラジル伝統のナチュラル製法ではなく、ウォッシュト(水洗式)で作られているため、よりクリアな酸味が魅力的です。
ブラジル サンマリノ サンドライ
ブラジル サンマリノ サンドライは、酸味が少なく、マイルドな甘みと香り高さが特徴のコーヒーです。
ブラジルの主要なコーヒー生産地であるセラード地方の高原で生産されています。
名前に「サンドライ」とあるように、樹上でそのまま天日乾燥させることで、太陽の光をいっぱいに浴びながら熟成させる方法が特徴です。
さらに、スクリーン18以上(後ほど詳しく説明します)の大きさの豆を選別し、水洗式で精製し質の高い完熟した豆だけが厳選されています。
ブラジル産コーヒーのグレードと精製法
個々のコーヒー豆の種類でちょっとだけ触れた『ブラジルのコーヒーの等級(グレード)』と『ブラジル伝統のナチュラル製法』についてご紹介します。
例えば、ブラジル サントス No.2の【No.2】が等級(グレード)です。
また、コーヒー豆の銘柄名のおしりに付いている、「ナチュラル」や「ウォッシュト」、「ハニー」などが、コーヒー豆の精製方法になります。
グレードと精製方法について知っておくと、コーヒーを豆屋さんやカフェで選ぶ際に、もっと楽しくかつ自分の好きなコーヒーを選べるようになるので、ぜひ覚えていってください。
ブラジルにおけるコーヒーの等級(グレード)
ブラジルにおけるコーヒーを格付けする等級(グレード)は、主に以下の3つです。
- 欠点数(欠点豆や異物の混入)
- スクリーン(豆の大きさ)
- カップ(味わい)
これらのスケールは、実際には『ブラジル No.2[欠点数]#18[スクリーン]ソフト[味わい]』のように表記されます。
このそれぞれの等級(グレード)をまとめてみます。
- 欠点数:(多い)No.8 – No.7 – No.6 – No.5 – No.4 – No.3 – No.2(少ない)
- スクリーン:(小さい)13 – 14 – 15 – 16 – 17 – 18 – 19 – 20(大きい)
- カップ:(薬品臭・刺激)リオゾーナ、リオ、リカード、ハード、ソフティッシュ、ソフト(異味異臭がない・やわらかな舌触り)
欠点数(欠点豆や異物の混入)が少ないのは、等級が高いことに繋がるのは分かりやすいでしょう。
スクリーン(豆の大きさ)が大きいことも品質が高いことに繋がるのは、順調に大きく育った豆は味わいが豊かだといえるからである。
ただし、大粒の豆が一概に必ず品質が高いとはいえないので、あくまで参考程度に考えるのが良いでしょう。
ブラジルの伝統ナチュラル製法
コーヒー豆は、実は豆ではなくコーヒーノキの実の種なので、実を取り除かなければいけません。
その方法には大きく分けて、『ナチュラル(乾燥式)』と『ウォッシュト(水洗式)』があります。
- ナチュラル(乾燥式):天日乾燥(機械の場合も)させた後、果皮や果肉を取りのぞく
- ウォッシュト(水洗式):水槽で過熟した実や異物を除去した後、果皮や果肉を取りのぞく
ブラジルはで採用されているのは、基本的に自然乾燥式で、水洗式のコーヒー豆よりも香りや味の個性が強いといわれています。
一方で、自然乾燥式では、水洗式に比べて不純物や欠点豆が取り除けないというのが欠点です。
ブラジルにこの自然乾燥式が浸透したのは、『膨大な量のコーヒー豆を精製するだけの水が確保できない』ことと、『広大な平地が自然乾燥式に向いている』という理由がありました。
ただ、現在では、ブラジルの主な生産エリアであるバイア州などでは、水洗式が導入されています。
ブラジルにおけるコーヒー文化
ブラジルのコーヒーの文化は、1727年にエチオピア原産のコーヒーがヨーロッパ経由で、ブラジルの北部に入ってきたことから始まります。
それからリオデジャネイロに移植されて、生産量が爆発的に伸び、100年後の1850年には世界最大のコーヒー豆生産国にまで成長しました。
現在では、ブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)が設立され、カップ・オブ・エクセレンス(COE)では毎年スペシャルティコーヒーを評価しています。
またブラジル国内では現在カフェブームが巻き起こっており、若者がバリスタを目指したり、バリスタ養成スクールが各地に設置されたりと、ブラジルでのコーヒーの存在感は今もなお健在です。
まとめ:ブラジル産コーヒー豆の種類と特徴を知ろう!
本記事の要点は、以下の通りです。
本記事の要点:
- ブラジル産のコーヒーは酸味と苦みのバランスがよく甘みがあるのが特徴
- ブラジル産のコーヒーでも品種によっては爽やかな酸味や独特な甘みが感じられる
- ブラジル産のコーヒーの等級(グレード)は3スケールあり、製法はナチュラルが主流
- ブラジルは世界最大のコーヒー豆生産国であり現在でもコーヒーの存在感は大きい
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